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この点に関して非常に興味深いのは、王統年代記(ギェルラプ)に記録されている、神話上の王ディグム・ツェンポの古代の物語である。王は宰相との決闘に誘われ、知らず知らずのうちに右肩に死んだ狐、左肩に死んだネズミを置くことで、相手の黒魔術に身を晒してしまった。すると、敵の神は死んだ狐を通して、人の神は死んだネズミを通して王の体から出て行ったため、無防備になった王は敵に容易に殺されてしまった。

様々な兆候から判断すると、これら二柱の神々、そして時折他の精霊も、他のアニミズム民族の神話と同様に、羽のある昆虫の姿で現れると考えられているようだ。邪悪な性質を持つ羽のある昆虫の注意をそらすために、チベット人は古来より、蜘蛛の巣のように悪魔を捕らえる精霊の罠を考案してきた。これらの装置はド(mDos)と呼ばれ、2本以上の交差した棒に、通常は異なる色の素材で作られた多数の糸が張られている。このようなドは、直径12インチほどの小さなものから、高いマストの上に設置された巨大な網まで、チベット全土で様々な形や大きさで見られる。僧侶の見解では、これらのドに捕らえられた悪霊は焼却される。



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