11

こうした古来のシャーマニズムの慣習は、ラマ教(チベット仏教)の信者の間でも今日なお生き続けているという証拠がある。リバッハは著書『ドクパ(遊牧民)ナムギャル』の中で、現代の西チベットにおける典型的なシャーマニズムによる病人の治療の例を記述している。

ある女性の死者の魂を呼び戻すために、ラサから悪魔祓い師(ラパ)が呼び出される。

彼はあらゆる種類の魔法のラマの道具を使うが、それに加えて、麻薬として炭火の火鉢で燃やした杜松の実と杜松の小枝の煙にも頼る。「ラパは今、自分の守護の悪魔を呼び出し、自分の体に入り、恍惚状態に陥り、非常に興奮し、目は一点を見つめ、唇は泡を吹いて、それから立ち上がり、甲高い叫び声をあげて狂ったように踊り回った」

すると、呼び出された霊は霊媒(ラパ)の口を通して「誰が私を呼んだのか?」と尋ねた。誰かが「ラパだ。パルラパン・ロルマンの病気の原因は誰だ?」と言った。霊は「ネコルパ(巡礼者)だ」と答えた。すると誰かが「この病気に対して何ができるだろうか?この女性の死後の命をどうやって取り戻せるだろうか?」と尋ねた。ラ(ラパに入り込んだ霊)は、クリム(sku-rim)、つまり生贄の儀礼をおこない、供物が撒かれるべきだと告げた。これは、高度なトランス状態と、使い魔[おそらくLhaのこと]の重要な協力によって特徴づけられる、正真正銘のシャーマニズムの儀式である。


 最後に、現代のラマ教(チベット仏教)という国家宗教の枠組みの中でも、シャーマニズムには公式な地位が確保されていることを指摘しておくべきだろう。それは、重要な政治問題において意見を求められる神託ラマという形で存在する。彼の住処は、ラサの西にある大僧院デプンの近隣にある小さな祠、ネーチュンである。このラマは、激しい恍惚状態の中で、地面を転げ回り痙攣しながら神託の言葉を発する。



⇒ HOME