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 一瞬の沈黙のあと、わたしは言った。「失礼ですが、わたしが地獄に行くとしたら、あなたはどちらへ行かれるのでしょうか」

 小鳥のさえずりだけが聞こえた。

「私は天国へ行く」彼は声をとどろかせた。

 わたしは顔を上げて彼の目を細めた、見下すような表情を見つめて言った。「あなたが天国へ行かれるのなら、わたしは地獄で幸せです。あなたのような狂信的な人と永遠にそこに暮らすなんて耐え切れません」

 わたしはそんなふうに言うつもりではかった。口をついて出てきたのである。しかし牧師が驚愕の表情を浮かべてわたしを見たとき、学生たちの耳をつんざくような喝采が巻き起こった。

 そしてわたしはたずねた。「なぜわたしは地獄に行くことになるのですか」

「なぜならあなたは間違った神を信仰しているからだ」

「どういうことですか」

「あなたはクリシュナを信仰している」

「クリシュナの意味を知っていますか」

「クリシュナとは」彼は憤然として叫んだ。「間違った神のことだ」

 学生たちはざわつきはじめた。

「質問してもよろしいですか。あなたは神がすべての美を体現していると信じますか。すべての美しいものの源だと思いますか」

「もちろんだ」彼はこたえた。

「神は無類の強さ、知識、富、名声を持っていますか」

「もちろんだ」彼はおなじようにこたえた。

「こうした卓越したものを持っているので、神はとても魅力的です。神は魅力的だとあなたは思いますか」

「もちろん」

「クリシュナという名はサンスクリット語で完全に魅力的な者という意味です。なぜあなたは天の父のために、このすばらしい名前に反対されるのですか」

 眉を寄せながら牧師は宣言した。「イエスはおっしゃった、私は道だ、真実だ、命だ。だれでもわたしによらないで、父のみもとに行くことはできない、とイエスの血を受け入れるということが、天国を得る唯一の道である。ほかの人を待っているのは地獄である」

「わたしはイエスを深く信じています」とわたしは言った。「彼は旧約聖書とおなじ言葉を述べています。心をつくし、精神をつくし、思いをつくして主なるあなたの神を愛せよ、と。そして、自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ、と。これらの教えはすべての有神論の宗教の中心にあるものです。精神的成長の道は長く遠いかもしれません。でもわたしはこの二つの戒律に従うことに自分の全人生を捧げるつもりなのです。長い年月、わたしは神を探してきました。わたしがこの道を歩むように神が勇気づけてくれたものと信じています。それはインドにはじまる無限の道なのです」

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