122−123
(ジョル、ドゥクモふたりとも頭を抱える)
「なんてこったー」
(向かい合って文句を言いあうふたり)
「このおしゃべり女め! ちゃんと見もしないで嘘八百を並べたな! おかげでおれは母ちゃんと追い出されることになったんだぞ!」(少年ジョル)
「あんたは悪魔よ! リン部落の家畜を殺したのはあんたでしょ! しかもここで罠まで仕掛けて!」(少女ドゥクモ)
「おれはあんたを救ったんだぞ! なのにおれの馬を追い払いやがって!」(少年ジョル)
「だれが助けてくれって頼んだ? それに馬ぐらい管理してよ! 横暴きわまりない馬なんだから!」(少女ドゥクモ)
「助けてほしくなかった?」(ジョル、挑発的に笑う)
「ここの強盗、おれみな知ってるけど、みなおれより残忍だぞ」「おれはそいつらに来てもらうことだってできるんだ」(少年ジョル)
「え、あ、あんた……」
(自分が有利だと思ったジョル、その場から離れようとする)
「おれ、行くよ。自分でまいた種は自分で刈るんだな」
(取り残されそうなドゥクモ)
「ちょっと待ってよお!」
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