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(雪の中を馬や犬と歩きながら、ドゥクモはジョルに言った)

「じつはこのことを伝えるために、わたしはここに来たの」

(ジョルは無表情で聞いている)

「リン部落にたいへんな雪が降って、生活ができなくなったの」

(ここにいた犬たちと別れを告げる)

「だからあなたにお願いに来たの」

(ジョル、ニコニコしながらこたえる)

「問題ないよ、ただ……」

(ジョル、意味深な表情で)

「この馬を連れて競馬に参加したいんだ」

「どうぞご勝手に。競馬に参加するのは自由よ」(とドゥクモ、犬をかまいながら答える)

「やったあ、おれたち競馬に参加できるぞ」(とジョル、馬に話しかける)

(ジョル、馬とひそひそ話)

「馬よ、おまえなら勝てる。おまえは無敵だからな」「そしたらきれいな女の子がみなおまえのことを好きになるぞ」

「ジョル!」(とドゥクモ、おかんむり)

(ドゥクモ、ジョルの頭を叩く)

「やめてちょうだい!」「あひゃあ」

(たんこぶを作ったジョル、ふと気づく)

「そうだ、まだ馬に名前をつけていなかった」


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