148−149
(馬やヤクの上に荷物を載せ、リンの人々が黄河上流域に移動してくる)
(馬上のトトン)
「わしは兵馬を強化してきた。だから移動も簡単にできるのだ。じゃがジョルとのことは面倒になりそうだ」
(長老の総監がトトンの言葉を聞いていさめる)
「ここはわしらの土地ではないぞ。ゴクモを招待してよい関係を築く必要がある」
(総監の馬が先に行くと、そこにセンロンの馬が待っていた)
「私が総監のおともをしましょう」
「そうか」
(手前に陰険な顔のトトン)
「ほんとうに無駄な時間が多いの」
(馬上のトトン、草原を進んでいく)
「しかしすばらしい土地だ。ここに家を建てよう」
(ジョル母子の家)
「このたびはまことにあんたがた母子のおかげで……」(長老の総監)
「われらもう一度、家族でひとつになろう」(センロン、妻のゴクモに)
「え、ええ、そうねえ」
(そこへジョルの声)
「おっかあ!」
(ジョルと異母兄ギャツァ、ドゥクモが馬とともに、ニコニコしながら立っている)
「ゴクモ、苦労したようだね」「当時だれもあなたを引き留めなかったとは」(ギャツァ)
「過去のことは水に流したわ」(ゴクモ)
(話しているゴクモとドゥクモの目が合う)
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