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(トトンが競馬のルールについて説明する)

「どのルートをとってもかまわない。ただし時間を引き延ばすことはできない。今年の夏の盛りの前に行うべきだろう」

(ギャツァが言葉をはさむ)

「それではあまりにあわただしいのではないか」

「何を言う! 競馬は英雄を選ぶ重要な行事。この程度の対応能力を持たない者をリンの王に選ぶのか? 甥っ子よ」(トトン) 

「ふん、そんなの対応能力などとは呼ばんわ。数年前にひいた風邪がいまなんでもないと言っているようなものだ」(ギャツァ) 

「ここに移住して数年たち、みなの生活も安定してきた。そろそろ王を選ぶときではあろう」(長老の総監) 

「そうだ、そうだ! 金の王座とドゥクモはその勝者のものとなるのだ!」(トトン) 

(ギャツァの顔にあせりの色) 

「このこと、ジョルに早く知らせねばならぬ」(とギャツァ、心の中で思う) 

(センロンが割って入る) 

「コホン(と咳をして)金の王座と財宝はよかろう。ただドゥクモは……」「以前ドゥクモにジョルを探しに行ってもらったとき、競馬の賞品にならなくてもいいと言ったのだ」

(そこでドゥクモの父キャロが発言する)

「みなさん、心配しないでくれ。この二日間、娘とよく話し合った」 

「キャロどの……」(センロン) 

「けっこうじゃないか! ドゥクモの美貌はリンの王にこそふさわしいのだ!」「ジョルのような小僧はおよびでないがな」(トトン) 

(長老の総監とキャロの顔のアップ)

「もしドゥクモが望まないなら、無理強いすることもなかろう」(総監) 

「王妃になるのは無上の光栄でありまする。リンの娘でそれを望まぬ者がありましょうか」(キャロ) 

 

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