160161 

(ジョル、トトンの襟元をつかむ) 

「この下種な野郎め!」 

(ジョルとトトン、向かい合ったまま)

「放せ!」(トトン、ジョルの手を払う) 

(馬の顔アップ) 

「おまえはとてつもない馬ならなんでもできると豪語していたな!」(トトンの声) 

(傲慢な表情のトトン) 

「恐いもの知らずなら、競馬に参加するがいい」「せいぜい命を大切にするんだな」(トトン) 

(ジョルの迫力ある表情) 

「安心しろ。参加してやるぜ」 

(馬に乗って去りながらも、ぶつぶつ言っているトドン) 

「へん! 厚かましい小僧め! つぎは、コテンパンにのしてやるからな!」 

(ドゥクモがそっとジョルに近づく) 

「わたし……」 

「え?」 

「前はほかのひとと違っていた」「そんなあなただったのに……」 

(涙を目に浮かべたドゥクモ) 

「同じ穴のムジナよ!」(ドゥクモ) 

(ジョルの目のアップ) 

「リーダーを選ぶのに、どうして自分たちで決めないの? どうして馬の速さで決めるの?」「どうして女が賞品なの? どうして人の運命を勝手に決めるの?」(ドゥクモ) 

(両手で顔を覆うドゥクモ)

「どうして……」(嗚咽するドゥクモ) 

(エーン、と泣くドゥクモ) 

「さ、いっしょに来て」(ジョル、ドゥクモの手を取る) 


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