162−163
(ジョル、ドゥクモの手を引いてどこかへ向かう)
「いったい何? どこへ行くの?」(ドゥクモ)
(ジョル、ドゥクモの腕を握りしめる)
「話を聞いて!」(ジョル)
(ドゥクモ、落ち着いた表情に)
(岩の上に出る)
「え?」
「ドゥクモ、見えるかい?」(ジョル)
(見晴らしのいい崖の上。眼下に大きな風景。リンの村が遠くに見える)
「これがぼくらの国だ」
「なんてきれいなの!」
「競馬でもいいし、狩りでもいい。闘いは恐いものさ。でもリンの王になるために、ぼくは参加するつもりだ。村から追放されたとき、ぼくはその国を失った。今度はこの国を自分のものとして、守っていきたいんだ」
(ドゥクモはジョルの気概を感じて優しく見つめる)
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