新疆ウイグル自治区西南部
 ホータン(和田)は地図中央やや下。すぐ上(北)にラワク(熱瓦克)寺の遺跡。
 ホータン(和田)の北東200キロの和田川沿いにチベットの城砦があったマザタグ(麻扎塔格)がある。07年10月にホータンとアスクを結ぶ砂漠公路が開通したが、公路からマザタグまで砂漠の中のタマリスクやポプラの林を抜けなければならない。
 和田市の西方、直線で150キロの地点にサンジュ(桑株)の岩画。古代の道はここを通っていた。
 桑株から真下の国境の突起物(に見える地点)の近くにカラコルム峠があり、越えるとインド・ラダックのヌプラ。ロシアの神秘画家レーリッヒはこのルートを通った。
 レーリッヒによればカラコルム峠のすぐ北(新疆側)には洞窟群やチョルテン(仏塔)の遺跡が残っている。
 カラコルム峠の西方の国境上にある喬戈里(チョゴリ)峰は世界第二の高峰K2のこと。この近くのムスタグ峠は標高が高く厳しいが、ホータンやヤルカンドとバルティスタン(古代の大勃律。現在パキスタン領)の金の産出地シガールを直接結ぶ重要な峠だった。ただ気候の変動により、18世紀半ば以降ほとんど使われなくなった。
 その北西の紅其拉甫達坂は、パミール高原のフンジュラブ峠であり、カラコルム・ハイウェイが通る現在の中印国境。古代から使者や仏僧もたどったメインの道だった。
 パキスタン側に入るとフンザ、さらに南下するとギルギット(古代の小勃律、チベット文献上のブルシャ)や岩画の宝庫チラースへとつながっている。
 7世紀、玄奘はパミール高原から西のアフガニスタン・ワハン地方へのルートを取った。


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