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黒い神も、白い神も、霊験あらたかな神は、いい神だ
インド・ラダックのマトゥ寺(チベット仏教サキャ派)のふたりのシャーマン僧ロンツェンにとって、年一度の祭礼は霊験を見せる絶好の機会である。
初日、神鏡を首にかけた、典型的なシャーマンのいでたちで登場したロンツェンたちは
二日目、半裸のからだと髪を真っ黒に塗った悪魔のようないでたちで現れ、われわれの度肝を抜く。
もともとロンツェンは雲南とチベット自治区の境界にそびえるカワカポ(梅里雪山)の山神だった。
数百年前、サキャ派の高僧とともにはるばるラダックまでやってきた。それ以来寺院の僧や村人を守護してきたのである。
このあとロンツェンのふたりは村里に下りて行き、祝福を与えていく。こうして村の幸は保たれてきたのだ。