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 彼らは薄気味悪い地底世界を歩き続けた。鍾乳石や石筍、その他の形状がバロック時代の彫像のように光っていた。ある水晶だらけの大洞窟はキラキラときらめいていた。ほかの大洞窟にはさまざまな形、色の巨大菌類が生えていた。またほかの大洞窟には湖があったが、岸に残されていたボートに乗って湖を渡ることができた。

 ある地点でモーガンはジャンプを試みた。なんと6フィート(180センチ)も飛び跳ねることができた! こんな芸当ができるのには二つの要因があるとガイドは説明した。それは重力が減っていること、そして大気の活性化の影響だという。

 地下深くに進んでいけばいくほど、体が軽くなっていることに彼は気づいた。そして呼吸もゆるやかになっていくのだった。周囲の薄気味悪さに加えて、肉体までむしばまれていく感覚に、彼はほとほと参ってしまった。

 

 わたしは衝動的に顔をいままで歩いてきた方向に向けた。わが内なる警告ランプがともった。傍らにいる神秘的な地中の生きものから逃げて、人間のところへ、地表の人間のところへ戻りたいという感情を統御することも、表現することもできなかった。通り過ぎたばかりの部屋にわたしは戻ろうとした。

 ガイドはわたしの腕をつかんだ。「待ってください、待ってください」彼は叫んだ。「どこへ行こうとされていますか。移り気な、死すべき運命の者たちのところですか」

「地上だ」わたしは声を上げた。「日光を見たいんだ。手を放してくれ、不気味な生き物よ、異常なる者よ、人だか悪魔だかわからないが。人類から封印されてしまった神秘世界の奥深くまであなたはわたしを連れ込んだのではないのか。人々が愛し、いつくしむ者からわたしを奪い、親類知古の絆をほどいてしまったのではないのか。小説家のイマジネーションでさえ及びもつかなかった道へ、また人間の持つペンが描こうとしなかった体験へ、あなたはわたしをいざなったのではないのか。そしていまわたしが直面しているのは……体重の減少だ。体は物理的な存在ではなくなりつつあるのだ。もうほとんど無に帰そうとしている。呼吸もしだいになくなりつつある。繰り返し言うけど、無鉄砲に生きてきて、ここでためらい、一息つくときではないのではないのか」

「たしかにそのときではない」彼はこたえた。

 前に進んで彼らは巨大キノコだらけの大洞窟に入った。そのなかにはベリーが生えている種類もあった。ガイドがベリーを手で開くと、なかに緑色の液体があった。彼はモーガンにそれを飲むよう促した。

 

 


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