15 増大する精神的暗闇
マクナルティー あなたは暗闇が来るとおっしゃっていましたが、講演では予言を信じていないともおっしゃっています。この暗闇という考えは、地球や政治情勢の現状を観察した結果なのでしょうか?
ヴォーン=リー この暗闇には二つの側面があります。つまり外の世界で起きていることと、内の世界で起きていることです。わたしたちの外側の注意は、生態学的危機、つまり、この生命ある魔法のような存在である地球の取り扱いに起因する世界の暗闇に向けられる一方、わたしたち自身と創造物の中にある神聖なものを冒涜することから生じる内側の暗闇もあります。とくに過去 10 年間、内面世界にある程度の暗闇が拡大してきたことに気づきました。それはあたかも、個人の魂と世界の魂、つまりアニマムンディにとって価値のあるもの、大切なものを奪ってしまうかのようです。それはわたしたちの人生に本当の意味を与えるものを奪ってしまうのです。
この闇はますます濃くなっているとわたしは信じています。これはわたしたちの生き方が引き起こしている生態系の状況、種の枯渇、そして生態系破壊を映し出す鏡だと考えています。しかしそれを認識するのは容易ではありません。過去何世紀も、わたしたちの属する文化は、内的世界は存在しない、外側の世界、物理的な世界だけが現実であると言ってきたからです。
しかしながら最近の経済危機の結果の一つとして、アメリカンドリームは終わったのではないかという感覚が生じており、不変の物質的進歩というこの夢が今や終わりを迎え、賞味期限が切れたことに対して、アメリカ人の心の中には深い悲しみ、さらには怒りさえ生じています。おそらくわたしたちの物質的生活がよくなり続けるということはないでしょう。また、アメリカ人全体の中には、何かが失われ、かつてあった希望は失われ、それに代わるものは何もない、という認識されていない不安もあります。人々は、物事が本来あるべき姿ではない、あるいはあり得たはずの姿ではないという感覚を抱いています。しかしわたしたちには物質的繁栄に代わるような集団的な夢や物語はありません。代わりにあるのは、尽きることのない外側の気晴らしだけです。
マクナルティー 内面世界の闇は大きくなっているとお考えですか。
ヴォーン=リー ええ、わたしたちの物質主義的な文化と創造の神聖さを忘れているせいで、内面世界の闇が拡大していると感じています。この闇は、わたしたちの自己中心的な貪欲と欲望を満たすことへの集中によって、そしてグローバル企業の力と操作によって煽られています。悲しいことに、個人の充足に重点を置く西洋の精神性の多くは、「わたし」に関することではないという中心的な精神的原理にもっと重点を置いていたならば、この拡大する暗闇に対してそれほど強い抵抗力を発揮できなかっただろうと思います。
これを表現した美しいスーフィーの格言があります。
自分自身から一歩離れて、道を見なさい。
わたし個人としては、自己啓発運動や自己能力開発運動は、個人の自己に焦点を当てることで、多くの真の精神的意図を微妙に歪め、精神的物質主義の性質を生み出していると思います。結果として一定の精神的光が失われてしまいました。
⇒ つぎ