そのとき南インドで

如意宝珠の宝の都で

運命づけられた幸福な王族の夫婦、

すなわち美徳の夫と光り輝く妻は

子宝に恵まれないことに心を痛めていた。

 

三宝と功徳に祈っているとき

「願いをかなえるすばらしい者」という名のバラモンが話しかけた。

「聞いてください、

徳を積み、国家を安定せしめる偉大なる王よ。

王妃とともに明日、

楽しい、愛すべき花々の島へ行ってください。

あなたの奥方は、まことの珠玉は

子を身ごもることになるでしょう」

 

忠告のとおり、翌日

すなわち虎年の八月の崇高なる機会に

将軍と呼ばれる惑星と大きな馬と呼ばれる星が昇るとき

王と王妃と宮廷の家臣たちは

楽しい、愛すべき花々の島へ行った。

できるだけ多くの供え物をもって

喜びあふれるブッダに捧げた。

 

そのとき王と王妃は

花の芯が動くのを見た。

驚いて彼らは顔を近づけ

徴だらけの赤子がいることに気づいた。

 

子供の肌は白く、赤みがさしていた。

その眼は思慮深げで、鼻には皺がより

三角の口は開き、手は激しく動き

片足は伸び、もう片足は曲がっていた。

だれもが驚き、喜び

自在の宝の都に戻った。

 


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