川が出会うとき 

 ヒマラヤの凍りついた山頂からほとばしって、広大な森林を抜け、山奥の村々や洞窟、ヨーギの隠遁小屋を通り、ガンジス川とヤムナー川は最終的にインド平原に達する。二つの川は東へ、農業地帯の果てしない田園地帯を流れ、美しい農村の間を過ぎて、喧騒の町や人口が密集した都市を抜けていく。川が目的地に達する頃までには何千万人もの人々が日々衛生のため、あるいは精神的浄化のため川で沐浴をしていることだろう。

 出発点からほぼ1000マイル、二つの川は聖地でひとつになり、生き別れた恋人たちように抱擁する。その頃地下を流れていたサラスワティ川も彼らに合流する。この地点が中央北部インドのアラハバード近くのプラヤグである。十二年ごとに信心深い群衆が世界一大きな宗教祭典クンブメーラめがけてやってくる。2013年、およそ四千万人の人々が一月の暗い月の日に合流地点で沐浴したと思われる。そしておよそ八千万人の人々がその一か月の間に沐浴し、聖者に会い、儀礼をおこなうためにプラヤグにやってきた。

 プラヤグはまた15世紀にクリシュナの化身シュリー・チャイタニヤとバクティの聖人でありシュリー・チャイタニヤの弟子であるルーパ・ゴースワーミーが対話した場所でもある。この出会いの前、ルーパは広大な王国の王のきわめて裕福な大臣だった。この歴史的な出会いの寸前、彼は出家し、すべてを捨て、聖なる愛を求めて、修行者としてプラヤグにやってきた。

 この聖なる場所で、シュリー・チャイタニヤはルーパに、精神的な成就を求める人と庭師を、また覚醒していない愛と心の畑に埋まっている種を比較しながら、バクティの道について説明した。バクティ・ヨーガは信仰のすばらしい種を耕す技術である。

 他者に対する奉仕を評価するとき、バクティ・ヨーガはスタートする。そのような評価によって通常の生を超えた何かへの信仰を作り出し、より深く進むよう鼓舞してくれる人々とのつながりを探すよう勇気づけてくれる。道を進む後押しをしてくれる人々から来る思いやりによって心の畑の中に埋まった神の愛の種が育ち始める。そしてわたしたちは実践しながら調和のとれた生活を送るだけでなく、精神的な実践をしたくなる。

 シュリー・チャイタニヤはルーパに、霊的な実践とは信仰の種を育む水と太陽光であると語った。彼は哲学とバクティの実践について詳細に説明した。ルーパ・ゴースワーミーはこれら実践をパーム椰子の葉に書き留めて、葉を束ねてバクティ・ラサムリタ・シンドゥという本に仕立てた。この本は何世紀にもわたって、あらゆる社会の階層からやってくる無数のバクティ・ヨーギのためのガイドブックとして役立ってきた。1970年、わが師はこの本の研究要旨を英語にまとめ、『信仰の甘露』として出版した。

 

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