038−039
(菓子盆を持って立つトトン)
「わが甥のジョルや、叔父さまがバター菓子を持って来ましたよ」
(菓子を頬張って満足げなジョル)
(赤子のジョルを抱くギャツァ。手前にトトン)
「みな甘い脂っこい菓子ばかりだな」(と不満そうなギャツァ)
「センロン家の子供には消化がむつかしいものを食べさせるのだ」
(何かを企んでいるトトンの顔アップ)
「おとなの男でも消化しきれないだろう。それにおれは毒を入れたのだ」
(不気味に光るトトンの杖)
「この子には死んでもらう。センロン家には落ちぶれてもらう」
(黒い霧発生。杖がヒュンと鳴る)
(黒い霧の中で赤ん坊を抱くギャツァ)
「いったい何が起きたのだ? なんだ、この黒い霧は?」
ゴンパ・レツァ(ボン教呪妖術使い)
(霧から突然ヘルメットをかぶった妖術使いが出てくる。驚くギャツァ)
(妖術使いが襲うが、ギャツァはかわすことができた)
「危ない!」
(赤ん坊を抱きしめて、ギャツァ、叫ぶ)
「今の妖術使いは何者だ? ジョルを狙ったのか?」
(テントを開けて外に向って叫ぶ女たち)
「妖怪だァ! だれか来て!」
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