048−049
(女性、羊を囲った柵の中に入る)
(うずくまった羊を起こそうとする)
「いつまで寝てるんですか、起きなさい」
(恐怖におびえる女性の目)
「どうしてこんなに冷たいのかしら」
(顔をあげて羊小屋のなかをよく見ると、羊はみな血を吐いて死んでいた)
「きゃあああああ」(と女性、叫ぶ)
(石垣の外に村人がたくさん集まってきた)
「野獣の仕業だろうか」
「一匹残らず死ぬなんて悲惨だな」
「なんと残忍なんだ」
「漢妃の羊はたしかここにいたはずだろう」
(人をかきわけて漢妃が戻ってきた)
「これはいったい何があったのよ!」
(憮然とした表情のギャツァ。無言)
「ギャツァさま!」という声。
(ギャツァは医者のように羊の首あたりを触っている)
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