170171 

(群衆の中でキャロ、娘のドゥクモを見つける)

「ドゥクモ、ここで何をしておる。わしといっしょに金の王座のところに行かねばならぬ」

「ちょっとだけ待って」 

(キャロ、高らかに笑う) 

「我が家の娘はほんとにせっかちじゃのう。将来の夫の姿を見たくてたまらないようじゃな」 

「何よ! 嫁に行くとはまだ言ってないでしょ!」 

(馬上の総監とセンロンが声をかけあう) 

「時間が来たようじゃな」(長老の総監)

「ええ、スタートしましょう!」(センロン) 

(トトンが急かしに来る) 

「みなの者、準備はできたか」「さっそく始めよ」(トトン)  

(長老の総監が開始の合図を告げようとする) 

「では……」(総監) 

(そのとき声が響き渡る) 

「待ってください!」 

(神馬キャンゴ・ペルポに乗ったジョルが颯爽と登場) 

(トトンが身なりの汚いジョルを小ばかにする) 

「ワハハ、おまえ、乞食大会に参加するつもりか」 

(ジョル、必死の形相) 

「前方に野獣がいてとても危険です」「大会を中止にしてください!」(ジョル) 

「何ふざけたことをぬかしてるんだ!」(トトン) 


⇒ NEXT