ラン氏犀角宝巻(ラン・ポティセル) 目次 


*ラン・ポティセル(rLang po ti bse ru)はチベットの名門ラン氏(rLang 吐蕃王朝の本拠地ツェタンの一族の族史。ラン氏は、カギュ派の一派として宗教的権威を持ちながら、政治的権威も有し、チベットを支配したパクモドゥパ(Phag mo gru pa)で知られる一族。パクモドゥ政権(13581434)を確立したチャンチュブ・ギャルツェン(13021364)自身の著作とされる。この書の大半は祖先チャンチュブ・デコルの伝説的な生涯にあてられている。注目すべきは、ケサル王との間の深い関係。ケサル王が記述されるもっとも古い例とされるのだ。ただしこのケサル王はわれわれが知る英雄王とはすこし違う。権力はもっているかもしれないが、世俗的な、凡庸な国王なのである。
 なお犀の角(セル)は「犀の角のようにただ独り歩め」というブッダの言葉をふまえたものだろう。また犀の角は七珍宝のひとつでもある。 

天神種族ラン氏の王統 

  礼賛 

  由来 

  チベット六氏族 

  始祖セキュンダ 

  ペンポチェ・ラン生まれる(天女伝説) 

  ペンポチェから五世ラン・ギャルツェトゥンの王統 

  ランセ・ゴディンからツォサン・ラシ 

  チャンチュブ・デクからチュンプク・チョンダム 

  ラン氏の子孫の分布 

 

ラン氏犀角宝巻(ラン・ポティセル)と一族の由来 

  願文 

  史実 

  ラン・カムパ・ゴチャから成就者ペーギ・ドルジェ 

  成就者チャンチュブ・デコルの史実と鬼神の使役 

  チャンチュブ・デコルとリンのケサルの受施・施主の関係 

  チャンチュブ・デコル、カルデンマを娶る。またその後裔 

  チャンチュブ・デコル、息子や甥に教えを伝える 

  成就者ドルジェ・ションヌからセルパ・スカタゴチャまで 

  『ラン氏犀角宝巻』発見の経緯とその伝承 

 

闡化王タクパ・ギェルツェン著「天神種族ラン氏伝記」 

大司徒チャンチュブ・ギェルツェンが遺した「開巻得益」 

  礼賛 

  パクドゥ・ドルジェ・ギェルポ及びディグンパのタクルンパ、ナプワら 

  チャンガ・ダクパ・チュンネ、パクドゥ寺とディグン寺の住持を兼ねる 

  モンゴル将軍ドルタ、チベットに来て統治 

  チャンガ大師の甥ギャルワ大師からはじまるパクドゥ寺の座主 

  ヤーサンとパクドゥの紛争の始まり 

  ションヌ・ギェルツェンらの万戸 

  チャンチュブ・ギェルツェン、ラサへ 

  チャンチュブ・ギャルツェン、パクドゥ万戸長になる 

  パクドゥのネドン 

  トゥンパ・ションヌウー 

  アトゥラ・トンチェン、ネドンに至る 

  ションヌ・サンポ、荘園を管理する 

  ヤーサンとパクドゥ双方訴える 

  グンタンの法廷におけるシトゥ・ダルマ・ギェルツェン 

  サキャ・ラマ・クンガ・ギェルツェン大都へ、サキャ白蘭王はツァンへ 

  チャンチュブ・ギャルツェン、ヤーサンとの戦いに負ける 

  ヤーサンとパクドゥの訴訟 

  クンガ・ギェルツェン、チャンチュブ・ギャルツェンの万戸長の地位剥奪を狙う 

  プンチェン・ソナムペーらパクドゥを攻める 

  シトゥ・ダルマ・ギェルツェン、ンガリを安定させる 

  パクドゥ、ヤーサンに連勝 

  サキャ・ラマ・クンバンパらチャンチュブ・ギャルツェン暗殺を謀る 

  ペンチェン・ギェルサンらチャンチュブ・ギャルツェンを拘束しようとする 

  チャンチュブ・ギャルツェンとワンズンの争いのもと 

  チャンチュブ・ギャルツェン、ワンズンやヤーサン、ツェルパに反撃 

  サキャとパクドゥ、ヤーサンとパクドゥの歴史をさかのぼる 

  チャンチュブ・ギャルツェン、中国の都に使者を送る 

  ツェルパとパクドゥ、土地をめぐる争い 

  ディクンとパクドゥの軋轢 

  チャンチュブ・ギャルツェン、ディクンやナンパ、ヤーサンの連合をはばむ 

  ラマ・タンパの仲介でチャンチュブ・ギャルツェン、ギェルワ・サンポと会う 

  チャンチュブ・ギャルツェン、兵を送りツァンのプンチェン・ギェルサンを助ける 

  帝師の二人の息子、プンチェン・ギェルワ・サンポを軟禁 

(つづく)