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 荷車いっぱいに食べ物や飲み物を載せてヘルラ王と騎士たちは小人王のあとを追った。

 小人王に導かれてヘルラ王らは森の中の洞窟にたどり着いた。馬に乗ったまま彼らは洞窟の中に入っていった。トンネルの中を進んでいくと、それは地下深くに下っていった。そして大きな空洞の中に出た。何百もの明かりに照らされて、装飾が施された空洞の内側が現れた。王宮へようこそと、小人王は彼らを歓迎した。

 ほかのゲスト、あまたのいたずら好きの小人たちが到着し、結婚式が開かれた。祝賀の宴が始まった。ヘルラ王は食べ物や飲み物を請け負うことでお返しをした。小人王は音楽やほかのエンターテイメントを提供した。そのあと三日間、洞窟の中には音楽が鳴り響いた。

 宴が終わり、ゲストたちは去り始めた。小人王はヘルラ王と騎士たちに来てくれたことを感謝した。そして別れの贈り物として一匹の小さな犬をプレゼントした。

「馬に乗って帰るとき」と小人王は言った。「この犬を連れていってください。この犬が地面に飛び降りるまで、馬から降りないようにしてください」

「奇妙な警告ですな、小人の王様」とヘルラ王は言った。「でも心にとめておきましょう。わたし自身がこの犬を運びます」

 ヘルラ王と騎士たちは馬に乗り、地底の洞窟をあとにした。トンネルを通って上がっていき、洞穴の入口から外に出た。日光の中で彼らは目の前の光景にひどく驚かされた。


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