(2)

 小さな男たちはエルダーを宮殿に案内した。王様の前に差し出された彼に対し、王様はいくつか質問をした。適合できると判断した王様は、エルダーを王子の遊び相手として宮殿に住まわせることにした。

 王国の人々は、背丈が訪問者の膝の高さしかなかったが、髪はブロンドで、肩まで伸びていた。(ギラルドゥスは彼らをピグミーと呼んでいる) 彼らはグレイハウンドほどのサイズの馬に乗っていた。話す言葉はのちにわかるのだが、ギリシア語だった。そしてベジタリアンだった。「宗教的な崇拝はなかった」とギラルドゥスは記している。「ただ真実に自分を捧げているだけだった」。彼らはきわめて高潔で、嘘をつくのが大嫌いだった。彼らは地上に住む人々を絶望的なほどの悪人とみなしていた。すなわち貪欲で、不誠実で、うそつきと考えていた。

 王国にいる間も――滞在を彼は楽しんだ――エルダーはときおり母に会うため家に帰った。彼は母に地下世界がいかにすばらしいか説明した。住人のマナーや習慣、心配事のない生活などについて語った。また国王が莫大な黄金を持っていることを教えた。それを聞いた母は黄金を少し持って帰るよう言い、息子は同意した。

 王子は黄金の球を持っていた。王子とエルダーはこの球を使って遊んだ。ある朝、エルダーはこの球を盗んだ。彼はそれをシャツの下に隠し、宮殿からこっそり抜け出た。そして穴の道を通って地上に出た。エルダーは気づいていなかったが、二人の小さい男があとをつけていた。

 家に着き、中に入ろうとしたとき、玄関でつまずき、黄金の球を落としてしまった。小さい男たちはそれを取ると、全速力で逃げた。奪い去る際、男たちはエルダーにツバをはきかけ、彼の貪欲さと裏切りをなじった。

 自分の行いを恥じたエルダーはそそのかした母親を責めた。彼は小さい男たちを追っかけたが、彼らは消えていた。川に沿って穴の入口を探したが、見つけることができなかった。

 


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