(2)

 修道僧たちが彼を巡礼者として歓迎してくれた。彼らは、しかしながら、煉獄まで降りていくことには賛成しなかった。しかしオーウェンは頑なだった。15日間の準備期間が始まった。彼は断食し、祈りをささげた。修道僧たちのミサに参加した。意志は固まった。ついに煉獄への下降の準備は整った。

 修道僧たちは歌いながら、乱れなく行進し、彼を洞窟まで誘導した。鉄の扉が入口をふさいでいた。彼らは扉を開け、聖水を彼に振りまいた。そして感謝の言葉を口にした。オーウェンは――罪を流そうと決心していた――洞窟の中に入った。

 背後の扉が音を立てて閉まると、彼は暗闇の中に取り残された。扉がロックされる音が聞こえた。

 オーウェンは指示されたように洞窟の奥に進み、急な下り坂をなんとか降っていった。空気は冷たく、湿っぽく、硫黄の匂いがした。それを吸うと、彼はウトウトし始めた。体から力が抜けていった。オーウェンは横になって休んだ。水のぽとぽと落ちる音が子守唄になった。小さなつぶやき声によって(修道僧たちによると、煉獄の魂たちの嘆きの声らしい)彼は完全に眠りに落ちた。

 しばらくして彼は石の床の上で目が覚め、前方に急いで向かった。わずかな明かりが先のほうに見えた。オーウェンは光のほうへ進んだ。そうして修道院の庭のようなところへ出た。

 白衣の修道僧が修道院から現れた。彼らは彼に向かって、いま魔物から襲われようとしていると警告した。自身を守るため、彼はイエスの名を呼んだ。修道僧たちは修道院のほうへ消えた。

 オーウェンは庭に立っていた。と、突然、地面が揺れた。彼はおびただしい数の黒い魔物に飲み込まれた。彼らの赤い目だけが見えた。

「帰れ!」彼らは唱和した。

「イエス様、先に進むための強さをください」オーウェンは言った。

 魔物たちは彼を捕らえ、地底まで連れていった。オーウェンはガイド付きで煉獄を見て回ることができた。彼は亡魂たちが凍りついた水の中に浸されるのを見た。それはまた炎の車輪に結びついていた。そしてそれはドラゴンに引き裂かれた。これらの拷問の目的は罪を清めることだった。

 


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