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 場所はニューヨーク州。全盛を極めていた、深奥の智慧に身を捧げる秘密結社「アデプト(熟練者)同胞会」から話ははじまる。結社内では小さな派閥争いが生じていた。新しく生まれた異端派は、知識をすべての人類と分かち合うことを願っていた。

 異端派は錬金術の研究者であるモーガンとの接触をはかった。彼らは彼に結社に参加し、秘密を学び、秘密を明かす本を執筆するよう促した。しかしこの計略は知られることになり、結社は計略をあきらめるよう説得しようとした。モーガンが拒んだところ、秘密の誓いを破ったとして仲間内から非難された。

 しばらくの間彼は批判に悩まされ、迫害された。そしてある晩、彼は拉致された。シルクハットにオーバーコートといういでたちの男たちによって馬車に押し込められたのである。彼らはモーガンに罰について教えた。彼はイニシエーションを受けて高度な秘密の知識を与えられることになった。結社は寛容だった。罰によって攻撃側も教えを受けるのであり、それは人類を昇華させることでもあった。

「あなたの望みは知識を広めることだろう。あなたはいま肉体的試練によって、また精神的苦悩によって求められていない知識を得るだろう。そしてそのうちにあなたの発見を知らしめるよう命令が下るだろう」

 モーガンは森の中の山小屋に幽閉された。そこで彼の容貌は科学的な方法で老人に変えられた。このように変わった姿で馬車に押し込められた。すぐに隠された存在の真実が明かされるだろうと彼を捕らえた男は言った。その真実は、普通の人々にも、ほとんどのアデプト(熟達者)にも知られていないという。秩序のため、また人類のための調査の旅に出発しようとしていた。数日後、彼らは目的地に着いた。そこはケンタッキー州のはずれにある洞窟だった。

 奇妙な生き物が洞窟から現れた。背は低く、青い肌をしていて、盲目で、一種のモグラ男だった。旅の心の準備はできているかと彼を捕らえた男は聞いた。彼は大丈夫だと答えた。

 

 


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