チベットの奇観 12 チベット チャンタン高原 まるで木星か土星の衛星にでも降り立ったような無機質の世界が眼前に広がっていた。石ころと石ころの間に雑草すら生えていなかった。唯一の生命の痕跡は、白骨化した犬の死骸だけだった。この犬はなぜここで野垂れ死にしたのだろう。犬の活動範囲は驚くほど広いが、犬のいるエリアまで何十キロもあるはずである。 ⇒ つぎ