19 彩色された灰色の器
ガンジス川とヤムナ川の間の地域で発見された紀元前1000年頃と思われる灰色の陶器はヴェーダ文化の証明になるのではないか、というのが最近の考古学の見方だ。それらは水準の低い陶器ではないか、ヴェーダ文化ではもっと高度な鉄が使用されたのではないか、と考えられがちである。しかしそれらはブタと稲作の文化であり、ヴェーダの牛と大麦の文化ではなかった。また土着の陶器の文化があるのであり、侵入者がもたらしたものではなかった。
「灰色陶器文化は土着文化の発展を代表するものであり、西から来たいかなる侵略、つまりアーリア人の侵入とも関係ない。それゆえインド・アーリア人侵入説の考古学的証拠はない」(J・シェイファー)
彩色された灰色の器はサラスヴァティー川が干上がった場所で見つかっていて、それはヴェーダ後と考えられている。