サラーフッディーンの転向 

 イエスがインドに来たという説よりも、もっと驚かされたのは、サラーフッディーンの転向だった。27年間信仰したイスラム教アフマディヤ派と決別し、バハーイー教(バハイ教)を信仰するようになったのである。おびただしく登場するインドのイエス論者のなかでも異彩を放っていたサラーフッディーンだが、彼自身によると、2003年5月25日午後10時、イリノイ州ウィルメットのバハーイー寺院を訪ねたとき、「突然神(アッラー)の存在を感じ」バハーイー教の信者となった。ある意味、これだけの明確な、啓示に似た宗教体験はうらやましい。しかし一方、梯子をはずされたアフマディヤ派の人々やインドのイエス論の参加者はこの事態をどうとらえたらいいのだろうか。ウェブマスターがなかば降りてしまったいま、だれがサイトを管理し、運営していくのだろうか。

 マニ教から転向してクリスチャンになったアウグスティヌスは初期キリスト教の強力な論者となった。アフマディヤから転向してバハーイー教徒になったサラーフッディーンも同様に強力なバハーイー教の論者となるかもしれない。転向以前はアフマディヤ派が書いた反バハーイー教の本を読んでいたという。いまはアッラーの使徒でありバハーイー教の創始者、バハーウッラーの著作を読み、アフマディヤ派やスンニー派、シーア派の攻撃がいかに根拠のないものであったか、よくわかるようになったと述べている。

 


⇒ つぎ 


⇒ 目次